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ベリー公のブルーベリー栽培方法-1
(自然の休憩所でのブルーベリー栽培) 

2006.10.21 初版
2010.12.26 最新改定
『日々是前進』


はじめに
自然の休憩所での ベリー公 独自のブルーベリー栽培方法を紹介します。
ベリー公のブルーベリー栽培のキッカケは、1987年にホームベルを1本購入し鉢植えで育て初めてから。それ以後用土、肥料、栽培管理の方法など試行錯誤の繰り返しで、自分なりに研究しいろんな方法を試しては対比実験、栽培実験を繰り返しました。今後もいろんな方法を模索しながら、自分に合った、この地域の自然環境に合った方法を見つけていきたいと思っています。より良い方法を見つけたらHPの方も随時更新します。また この方法は間違っている、こっちの方法が良いなどのご意見がありましたら教えてください。
ここに記したことはベリー公が実際に試した結果、もしくは栽培経験で感じたことです。栽培書を読んだだけの知識や人に聞いただけの知識で、自分で試していない事は記していません。栽培地は香川県(四国の瀬戸内海側)。以下に記した日付けや時期の標記は香川県での表示をしています。時期などは栽培地の地域気候に読み替えて早めたり遅めたりして判断してください。



どう育てたいか?(ブルーベリーを育てる目的)
ブルーベリーを育てる目的によって栽培方法が異なってくる。例えば、樹を早く大きくしたい場合は早く大きくする栽培方法があるし、樹を早く大きくするより ガッチリした強い株に育てて 美味しい実を収穫したい場合はその栽培方法、母樹代わりにして挿し穂を採る株にしたい場合はその栽培方法がある。
「どう育てたいか?」は、いろんな方法があるが下記の 1 と 2 に触れてみると。
1:早く大きく育てたい。果実は 味よりも、大きな実で収量を多く採りたい。
2:いかに美味しい実を作るか。早く大きく・収穫もいっぱい よりも とにかく美味しい実を収穫したい。量より品質。
「どう育てたいか?」によって『植替の時期(季節でなくタイミング)、肥料、水やり、剪定など』の一連の栽培方法が違ってくる。
「どう育てたいか? :1」は実の味よりも木を早く大きくすることを目的としている。肥料と水、生長を止めない植替え時期などで大きくしているため早く大きくなり 大きな実がたくさん生るが、味はどうしても薄く大味になる。
「どう育てたいか? :2」は早く大きくすることよりも美味しい実を収穫することを目的としている。生長がゆっくりだが太くガッシリした樹になり病虫害に強く美味しい充実した実を収穫できる。
また地植と鉢植では生長と実の味は変わってくる。同じ肥料・栽培方法で育てた場合、鉢植は肥料を適時にやり水も頻繁にやるので地植より早く大きくなり実の味は薄く水っぽくなりやすい。地植は立ち上がりが遅いので初期生長は遅く大きくなるのに時間がかかる。しかし実は充実した美味しい実ができる。
ブルーベリーに限らず植物は根を伸ばせる余裕があると根をどんどん伸ばし地上部も生長する。この段階は実が生っても植物体内の体質は生長体質になっているので美味しい実はあまり生らない。鉢植の場合は根が鉢壁、または空気(酸素)に当たると「これ以上根を伸ばせない」と知り、根を分岐し細根を盛んに発生させ底面 側面で巻き根鉢を作り始める。この時、地上部ではシュートを伸ばし盛んに生長している。ブルーベリーの場合この段階の根は白根だ。白根の状態で 鉢から根鉢を抜いたとき土が崩れない程度に根鉢ができている時に鉢増しをすると根も地上部も止まることなく生長を続ける。その状態で鉢増しせず根鉢を作らせると根の分岐も細根の発生もゆっくりになる。白根が茶色に変わる頃だ。地上部の生長もゆっくりになり生長期から株を太らせガッチリさせる成熟期になる。そして、もうこれ以上根を伸ばせない、地上部も大きくなれないと知ると「早く美味しい実を生らせて食べてもらい子孫を残さないと」と子孫繁栄能力が働く。ブルーベリーは若樹でも実を付けるが、他の果樹が地植より鉢植が早く結実するのは そのため。地植の場合はある程度のところまで根を伸ばすので子孫繁栄能力が働くのが遅い。 よく過酷な状況で育てると生長は遅く(悪く)収量は少ないが甘く美味しい実ができると言うのは「子孫繁栄能力」が働き、自分はもう長くない、美味しい実を生らせて早く鳥などに食べてもらいどこかに種を蒔いてもらって子孫を残したい。という能力が働くものと思われる。
「どう育てたいか? :1」の早く大きくする方法に比べて農園で地植しているブルーベリーは生長が遅かった。元気の良い鉢植に生る実は大きく収量も多く 色形の良い如何にも美味しそうな実が生る。しかし食べてみると味が納得いかない。こんなものかと思ったが地植の実を食べてみると同じ品種でも風味が違っていた。
鉢植同士で「どう育てたいか? :1」と :2 の栽培方法で比べると、「どう育てたいか? :2」の方が生長は遅いが、太く短くガッチリした樹になり美味しい実が生った。 苗 販売目的でブルーベリー栽培をするなら早く大きくした方が良く売れると思うが、美味しい実を作ることを目的としている場合は、樹を早く大きく、大きな実をいっぱい よりも いかに美味しいブルーベリーを作るかに専念したほうが良いと思う。 幼樹~若樹のうちは、早く大きくして樹を作り、実を収穫するようになってから 美味しい実を付けさせる栽培方法で…と、誰もが思うが、初期段階に生長体質で止まらずに生長させられてイキナリ「今年から美味しい実をいっぱい生らせろ」と言われても、ブルーベリーはすぐには良い実を生らせる体質にはなれず樹の立て直しも必要で、生長体質から品質の良い実を生らせる体質改善にやはり 2~3年はかかる。



ブルーベリーとの一年(時期は香川県での場合)
1月
新しい年が来てブルーベリーも1齢、年を重ねた。今年のブルーベリー栽培方法の予定を立てよう。そして「今年は昨年よりも収穫量が多くなりますように」と念力を送ろう。剪定の時期。樹形作りをして花芽数を調整する。剪定方法は 5年ほど経った古い主軸を間引き新しいシュートを残す。内向き、下向きの枝、交差した枝や貧弱な枝は切る。花芽が枝先に付くので、全体に枝先を切詰めるのは避ける。不用枝を主枝元、または地際から切る。徒長枝など、長すぎる枝を切詰め脇枝を出させたい場合は伸ばしたい芽の上で剪定する。剪定後に寒肥順次与える。また冬場の休眠期間でも乾燥すれば水やりを忘れないようにする。病虫害予防のため石灰硫黄合剤を散布する場合は 8~10倍で行なう。

2月
まだ地上は寒いが、土の中では中旬頃からラビットアイ、下旬頃からハイブッシュの根の活動(暖地の場合)が始まる。南部ハイブッシュなど開花が早い品種は花芽が展開し年によって下旬頃に咲き始める場合もある。2月下旬~3月は挿木の適期。接木もこの時期が良い。

3月
地植でpH調整が必要な場合は調整剤を施す。

4月
花の時期。可憐な花を眺めて楽しもう。良い香りのする品種もあるので楽しみ。この花の数が全て実になると思えば スゴイ。こりゃ~たまらんわぁ。また蜜蜂などの受粉昆虫が少ない場合は人工受粉も考える。

5月
花は一通り終った。さぁーどれだけ実がなるか? わくわくドキドキの一時。花が終わりかけた品種から花肥を施す。早い品種は実が膨らんでくる。

6月
害虫の時期。良く注意して見て回り、できるだけ薬剤を使わず手で取り除く。早い品種は待ちに待った収穫の時期。鳥害に注意しながら完熟してから収穫しよう。一番果収穫の終わった品種から実肥を施そう。ハイブッシュ花芽形成時期:6月下旬~9月下旬(暖地の場合)

7月
収穫が終りかけた品種は花芽形成肥・収穫のお礼肥の準備に入る。夏剪定をする。込み合った枝を間引く程度で良い。梅雨明けから9月いっぱいまでは水やりに特に特に気を付ける。7月~8月、シュートの伸びは止まり春から伸びたシュートは先端まで硬くなる。夏挿しの時期、春から伸びたシュートを切って挿木してみよう。シュートの伸びは止まっているが生長が止まっている訳ではなく、根は伸びるし植物体内では光合成などによって盛んに活動している。ラビットアイ花芽形成時期:7月中旬~9月下旬(暖地の場合)

8月
夏バテしないようにブルーベリーを食べてブルーベリーから元気をもらおう。水やりに気を付ける。収穫はそろそろ終わり。今年の収穫はどうだったでしょうか? また来年も豊作でありますように。

9月
秋枝が伸びて来る。有機肥料のお礼肥は今月の白露~二百二十日で終わり。

10月
鉢植の元気の良い株で一回り大きな鉢に植替える株や地に植付ける株は植替え、植付けの時期。この時期に行った方が休眠期までに根を張り、来年からの生長が早い。(暖地の場合)

11月
そろそろ1年間の活動を終える。1年間ごくろうさま、ありがとう。と言いながらマルチを一旦除けて、良く湿ったピートモスを根域全体に厚さ10センチほど地表に敷くように入れよう。そしてマルチをかける。マルチが足りない場合は補充。マルチの厚みは10~15センチ必要。この時に樹の回り(根の先端、外周)に良く湿ったピートモスを鋤き込んでやれば良い。紅葉の美しい時期。ブルーベリーの紅葉は格別綺麗。ブルーベリーと一緒に写真でも撮りましょうか?

12月
葉はほとんど散り落ちてしまう。葉が残っているのはサザンハイブッシュの1部とラビットアイの1部。花芽ははっきりわかる。来春を楽しみに待ちましょう。そして今年のブルーベリー栽培の反省をしよう。


自然の休憩所 栽培暦




ブルーベリーに合う用土
ベリー公が本格的にブルーベリーの栽培を始めた頃は、栽培書や先輩方が言われていたのは、ブルーベリーはピートモス100%で育てるのがいい、水もどんどんやるほどいい。という感じだった。ピートモス100%で栽培するのが上級者で王道のように言われた。ベリー公も早く上級者の仲間入りをしたいと思い 鉢植えでピートモス100%にして水を毎日、夏は朝晩たっぷりやっていたが、ブルーベリーは次第に元気が無くなり枯れていった。鉢から抜くとピートモスはベトベトでヘドロのように汚泥化し腐っているように思えた。枯れた原因は過湿による根腐れだった。それからも何度もピートモス100%に挑戦したが育ちが悪く、ベリー公は 恥ずかしながら「自分はピートモス100%で育てることは無理だ。上級者の域には達せない。」 と自信をなくすこともあった。「初心者の域から出られなくてもいい。ピートモス100%は自分には合わない。もっと水はけをよくしないと自分は栽培できない。」と開き直り、ピートモスにいろんなものをブレンドして自分なりに用土を模索し試行錯誤していた。
日本ではラビットアイ系の栽培が先行し苗木が出回りだしたのもラビットアイ系が多かった。当初の栽培書や諸先輩方が言われていたのはラビットアイを栽培する用土でピートモス100%が良いということではなかったのだろうか。少し後になって趣味栽培でハイブッシュ系に焦点があたり、ハイブッシュ系が増えてきた。前のラビットアイに対する栽培論をそのままハイブッシュに用いたのではないだろうか。ラビットアイ系は確かにピートモス100%でも育つ。ピートモス100%の方が生育が良い場合もある。でも、ハイブッシュ系の多くの品種はピートモス100%では育ちが悪い。
ピートモスが汚泥化するとブルーベリーの根は呼吸ができなくなり窒息してしまう。写真の白い根は雑草の根でブルーベリーの根は汚泥化したピートモスの中には一本もない。




何をブルーベリー栽培用土に使うか
鉢栽培 地植栽培
赤玉土 × × 潰れやすく水はけが悪くなる。すぐベトベトの赤土と化して汚泥化を促進させる。
鹿沼土 用土性などはブルーベリー栽培に適しているが、赤玉土ほどではないが数年するとやはり潰れて泥になる。硬質鹿沼土でも潰れ難いだけで同じ。泥になると良くないので注意して使用するかできれば混入しないほうが良い。
真砂土(粘土質) × × 水はけが悪くなる。粘土は論外。
真砂土(砂質) 粒状の砂であれば経年劣化しないので良い。予算の関係もあるが同じ混入するなら利点の多い多孔質な軽石かパーライトが良い。
水田土 × × 水はけが悪くなる。粘土は論外。
畑土 × × 水はけが悪くなる。粘土でなくても泥は使わないほうが良い。
川砂 粒状の砂であれば経年劣化しないので良い。予算の関係もあるが同じ混入するなら利点の多い多孔質な軽石かパーライトが良い。
軽石 多孔質で排水・通気性に秀で最適。保水性もあり経年劣化が少ない。
パーライト パーライトには保水性・通気性を持つ真珠岩系、排水性を持つ黒曜石系がある。ブルーベリーの栽培用土に混入する場合は特に排水性と通気性があるものを厳選。多孔質で排水・通気性に秀で最適。保水性もあり経年劣化が少ない。自然の休憩所では真珠岩性のもので特に排水性と通気性を持つように改良を重ねたパーライト『キングパール』を使用している。
籾殻 多孔質で排水・通気性があり経年劣化が比較的少ない。
用土に混ぜたりマルチににもできる。
バーミキュライト × × 排水・通気性が悪くベタベタした土になる。
カナダ産
ピートモス
×~△ ×~△ ミズゴケが堆積したもの。細かすぎるため分解が早く半年~1年ほどでベトベトした土になり汚泥化して排水・通気性が悪くなる。分解するとpHも上昇する。
北欧産
ピートモス
ミズゴケが堆積したもの。繊維長さ・粒が不揃いでカナダ産より繊維がしっかりしているので経年劣化が少なくベトベトにならず、カナダ産より撥水性が少ない。
北海道産
ピートモス
(長繊維)
ミズゴケではなく、アシ、ヨシ、スゲ、カヤなどの禾木類が堆積したもの。繊維長さ・粒が不揃いで繊維がしっかりしているので経年劣化が少なく 4~5年は分解しないのでベトベトになりにくく、撥水性が少ない。
ココヤシ製品 スリランカ産とフィリピン産があり、種類と生産量(入荷量)はスリランカ産が多い。繊維状、チップ状、ピートモス状など規格が豊富で使いやすい。ピートモス状の繊維が短いものや粗く砕いたファイバー状のもの、サイコロ状のチップなどがある。蜂の巣状の空気室が多重にある多孔質で気相が確保でき 通気性に優れる。水苔などのピートモスに比べて 同じピート状のココヤシピートでも多孔質な性質から排水性、通気性が良い。ファイバー状やチップ状になっているものはより排水性、通気性がいい。分解も遅く撥水性が少ないなど多くの利点がある。 ココヤシはピートモスのように自然に堆積したものではない。ココヤシの殻を粉砕し池や川、湿地などの淡水に人工的に浸け込み塩分や有害な有機酸を抜き乾燥熟成させたもの。ココヤシの繊維は、しっかりして丈夫、タワシやロープにも使われている。生産国のお国柄があるので中には粗悪品もあり品質差がある。信頼の出来るメーカーからの購入が必要。
ココヤシ製品
(ココヤシピート)
△~○ △~○ ミズゴケのピートモスより多孔質な性質から排水性、通気性が良いが、粉状のものが多いので隙間が少なく 4~5年経つと分解が始まる。
ココヤシ製品
(ココヤシチップ・ファイバー)
○~◎ ○~◎ ココヤシをサイコロ状のチップにしたもので粒の大きさが 3種類と繊維(ファイバー)状のものがある。小さなチップやファイバーを用土に入れると水捌けや通気性が良くなる。大きな粒のチップはマルチに良い。
ココヤシ製品
(ブラックココ)
ココヤシ製品を更に、土中や沼に人工的に堆積させ有機酸などを除去したもの。繊維が黒く硬くなり 7年は分解しない。ピートモス状、繊維だけのファイバー、チップなどがある。
腐葉土 × × ベトベトした土になる。
堆肥 × × 牛糞・鶏糞・豚糞堆肥などはブルーベリー栽培には向かない。ベトベトした土になる。バーク堆肥なども同じ。
樹皮チップ △~○ 下述を含めた木材チップの中で針葉樹樹皮チップが一番適している。針葉樹の樹皮はチッパーで破砕しても繊維質で裁断し難く長く残ることがあり使いにくいが、分解し難いため用土性の利点を長く生かせる。林業の盛んな地域は手に入りやすいが、そうでない地域は手に入りにくい。丸太を扱い皮を剥き角材に削っている製材所などに頼めば手に入るが量は多くない。鉢植えに使用すると繊維が長めなので隙間ができ過ぎることがあるので注意が必要。12号以上の大きな鉢なら問題ない。地植にする場合はチップを敷いた後、重機で転圧をじゅうぶんにすること。どんなに転圧しても土ではないので決して締まり過ぎることはない。適度な隙間が残る。転圧しないと隙間があり過ぎるので反対に良くない。
1989年、石川県柳田村で水田転換のブルーベリー栽培が始まったが、排水不良による根腐れなどの湿害で何度植えても育たなかった。地元の人が困っていたのを見て 玉田孝人先生が考えた方法が、この樹皮チップ栽培。林業が盛んな地域で針葉樹の樹皮チップが豊富にあるので、この地元の資源を有効活用してブルーベリー栽培しようと思い付いたようだ。排水不良な水田の粘土質土壌は捨てて、その上に新たに樹皮チップを 50~70cmの厚みで投入し、このチップ層に根を張らせ栽培の温床にしようというものだ。この方法は柳田村を基点に全国に派生しその地方に合った方法に改良されている。木質チップを果樹栽培のマルチに使っている例は今までにもあったが、未分解のチップを用土に使った例はあまりないと思う。野菜や他の作物に未分解のものを使うとガスが発生して根が傷むがブルーベリーは根傷みするどころか反対にこの用土の方が生育が良い。それを見越して玉田孝人先生が考え出した方法で柳田村がブルーベリーチップ栽培の発祥地。
木材チップ △~○ 針葉樹のチップが良い。自然の休憩所では広葉樹や竹の伐採屑や建築廃材なども数年使っているが今のところ特に問題はない。鉢植えに使用すると粒の大きさにより隙間ができ過ぎたりするので注意が必要。12号以上の大きな鉢なら問題ない。地植にする場合はチップを敷いた後、重機で転圧をじゅうぶんにすること。どんなに転圧しても土ではないので決して締まり過ぎることはない。適度な隙間が残る。転圧しないと隙間があり過ぎるので反対に良くない。
オガクズ
(粉状)
× × 水を含むとべったりして適度な隙間が無くなり通気性が悪くなる。分解が早いのでベトベトした土になる。
カンナ屑
(カツオ節状)
△~○ 針葉樹が良い。粉状のオガクズほどではないが分解が早い(厚みにもよる)。厚みが厚く粗いほど良い。鉢植えに使用すると分解が始まると嵩が極端に減るので注意が必要。
一般作物はミミズが居ると土が肥えるので良いと言うがブルーベリー栽培にはそれが当てはまらない。鉢植え用土にミミズが入るとピートモスやココヤシ繊維を食べ耕して分解してしまう。ベトベトな排水や通気性の悪い土になってしまう。
鉢植の場合は小さなポットから徐々に大きな鉢に鉢増しをするので まるで1枚づつ服を重ね着していくように土を回りに付けていく。最初に着た土が悪くなるといくら新しい良い土を上から着せても中の悪い土は、一生 着たままになってしまう。挿木の段階から良い土を使うことが大切。



現在日本に流通している主なピートモスの種類
…カナダ産ピートモス…
< 特徴 >
pHは 3.5~3.9 前後。
水苔が堆積したもので 品質が良くて繊維が均一で細かい。細目、粗目の区分があるものもあるが、粗目でも繊維は短い。撥水度が高く最初は水を吸いにくい。
< ベリー公 批評 >
繊維長さが均一で細かく オガクズのような感じで最初は好んで使っていた。繊維長さが均一なので使いやすいのだが、繊維が短くて細かいということは、分解しやすい。分解しやすいということは、ブルーベリー栽培のようにピートモス比率の多い用土の場合はピートモスが汚泥化しやすいということだ。半年~1年で分解してしまうといわれる。分解してしまうと当然、pHも上がってしまう。細かすぎるのが分解を早める原因となるのでブルーベリーの栽培用土には注意が必要だ。


…北欧産ピートモス…
< 特徴 >
pHは 3.5~3.9 前後。
水苔が堆積したもので 品質が良くて繊維が不揃い。0~10mm、0~20mm、10~30mm などの区分がある。日本に入ってきているサイズは輸入量の関係で商社によりある程度絞られている。撥水度はカナダ産ほど高くない。粗目は繊維の長さだけでなくコルク状の水苔の塊がある。繊維質を壊さないブロックカットと呼ばれる採掘方法。産地はデンマーク、リトアニア、ラトビア、ドイツ、フィンランドなど北欧各地。
< ベリー公 批評 >
繊維長さが不揃いなので最初は「こんなの栽培用土には向かないなあ。」と思っていたが使い慣れると繊維長さが不揃いなのと水苔の塊が逆に植物の根に対して とてもいい状態を長く保つことがわかり、改めて不均一の良さを知った。繊維が長く塊状など粒が大きいということは分解し難いということだ。分解し難いということは水はけ、通気性など根にいい状態を長く保てる、ブルーベリーに対しては酸性用土を長く保てるということだ。日本人は均一な見た目が綺麗に揃っているものを好む傾向があるが、それが植物にとって良いとは限らない。ブルーベリーだけでなく、pH調整は必要だが他の樹木やバラ、草花などの栽培用土に良い。カナダと採掘方法が違うのでパックを開けて最初に使うときにカナダ産ほど撥水性がないので水を含みやすいのもいい。ただ 輸入量はカナダ産が多く、こちらは輸入量が少ない。


…サハリン産(ロシア産)ピートモス…
< 特徴 >
pHは 3.5~3.9 前後。
水苔が堆積したもので繊維が細かいものと長いものが混ざっている。
< ベリー公 批評 >
繊維長さが細かいものと長いものが半々くらいでカナダ産よりは水はけがいい。細かい繊維はカナダ産とほぼ同じくらいなので分解も早い。だが 長い繊維も含まれるので 長い繊維部分の分解はカナダ産より遅い。しかしサハリン産(ロシア産)ピートモスは水で湿っているのだが、植物は水分を吸収でき難く水切れを起こす場合があるので注意が必要。


…北海道産ピートモス…
< 特徴 >
pHは 4.3~4.6 前後。
カヤ、ヨシ、スゲなどの禾木科植物が堆積したもの。繊維が短いものと長いもの、短いものと長いものが混合したものとがある。
< ベリー公 批評 >
水苔でなく禾木類が堆積したもので見た目は、まばらで黒く、針金のような剛毛な繊維もあるが、愛用者は多い。撥水性がないのもいい。短繊維、長繊維、短いものと長い繊維を約半々に混ぜられた特号の三種類の規格がある。



一般的に日本で流通していて手に入りやすいものは上記の4種類。
ピートモスは泥炭という意味で水苔、アシ、ヨシ、スゲなどの植物が堆積したもので、「ピートモス=水苔」 ではない。常に水のある湿地のようなところで水苔や禾木類が少しずつ堆積してピートモスができる。1年に 1~2ミリ 水苔などが堆積する。1メートル堆積するのに 500~1,000年かかる。カナダの巨大なピートランドでは 10メートル堆積しているそうだ。10メートルというと 5,000~10,000年かかってる計算になる。常に水のある湿地の中だから腐らない(分解して土にならない)。腐っていないけど生ではないので 貴重で最適な園芸有機培土になっている。北海道産のピートモスは水苔ではなく禾木類のピートモスだから水苔は入っていない。その北海道産の禾木ピートでもブルーベリーはよく育つので水苔ピートでなくてもいい。植物が堆積した繊維分のある有機物であり 酸性で水はけが良ければブルーベリーは育つ ということになる。
北海道産と北欧産のピートモスには小枝や樹木のチップのようなものも混ざっている。サハリン産も多少混ざっている。カナダ産は ほんの少ししか混ざっていない。これは水苔などが堆積するときに小枝や樹木が一緒に堆積したものだ。カナダはピートモスを採掘して乾燥させ 篩い分けして水苔以外のものを異物として排除しているようだ。ピートモスと同じで何年も湿地の中で水苔などと一緒に堆積しているので生木ではなく 植物を栽培する培土としていい有機培土になる。せっかく何年も堆積した貴重な資源を異物として取り除く必要はない。むしろ混ざっていたほうがいい。人間は見た目だけで、水苔だけのピートモスで異物が少なく繊維や長さが均一で安定しているものが高品質と思っているが、植物にとってはそれが高品質ではない。植物を栽培する上で 植物にとって高品質なピートモスは根が生育する良い状態を長く保つことだと思う。北欧では長繊維、短繊維と分けるがブロックカットという採掘方法なので繊維質を崩さずそのままの状態でパック詰めされる。そのため一緒に堆積した樹木なども混ざる。北海道産はピートモスを採掘し乾燥させて篩い分けをしているが樹木チップは異物ではないので取り除いていない。
自然の休憩所で栽培実験の結果、北欧産のピートモスを推奨したい。でもいくら他のピートモスより水はけがいいと言っても、やたらに水をやりすぎるとピートモスの汚泥化、根腐れが起こる。ここで付け加えたいのは『水管理』 特に鉢植えの場合、何が何でも 夏は朝・夕の一日 2回、他の季節は毎日水をやればいいのではない。例え、同じ日に同じ年生、同じ品種を 同じ号数の鉢、同じ用土に植え付けても水やりの間隔は異なるということ。

自然の休憩所ではピートモスを使わない用土の研究に 2006年 から取り組んでいる。ブルーベリー栽培にはピートモスという「ピートモス神話」を崩したい。それはピートモス採掘が環境破壊につながるから。数百年~何万年もかかり水苔が堆積してピートモスができる。広大なピートランドという大自然。植物や昆虫、動物たちになくてはならない自然環境。ピートモスを使うということは、この貴重な大自然を破壊していることになる。ブルーベリー栽培が環境破壊につながることはどうしても避けたい。
なぜ、ブルーベリーはピートモスでなければならないのか?
1、酸性である。
2、保水性がいい。
3、有機物100%である。
この 3点くらいが思い当たる。「ピートモスが水はけがいい。」とは決して思えない。
今まで用土実験を繰り返した結果、結論から言えば、ピートモスでなくてもブルーベリーは育つ。少しくらい pHが高くても保水性、排水性、通気性に富んだ用土であればブルーベリーは育つ。「ブルーベリーに大切なのは酸性用土。でも、もっと大切なのは排水性と通気性。」というのは本当だ。ピートモスの代わりになるのはココヤシ製品。ココヤシは廃品利用なので環境破壊につながらない。利点もピートモスより多い。ブルーベリー栽培用土には強酸性というのは必ずしも必須ではないようだ。水はけと通気性の良い有機物用土(植物由来の繊維質用土)主体であればpHはあまり気にしなくてもいいようだ。保湿性を持ちながら、とにかく水はけ、通気性の良い気層を確保できる多孔質用土が必要だ。pHが上昇するとブルーベリーが調子悪くなるのは、ピートモスが分解して汚泥化するとpHも上がるが排水性、通気性が極端に悪くなるから。逆に言うと、排水性、通気性の悪い用土で育てると高pH障害が出やすいということだ。そんな用土でpHを下げる対策を用いても一時凌ぎしかならない。ココヤシ製品の pHは 5~5.8前後だが、排水性、通気性がいいので高pH障害はでない。しかしながら排水性、通気性の良い用土で適性pH(pH4.5前後)が一番良いのは言うまでもない。硫黄などや鉢植の場合はクエン酸やサンドセットやさなえさんでpH調整してやると尚いい。

自然の休憩所で開発したブルーベリー栽培用土は 3種類ある。どれも排水性と通気性を追求し しかも保水性も兼ね備えた最高品質のブルーベリー栽培用土。ラトビア産ピートモス、ブラックCoCoファイバー、各種ココヤシ繊維、CoCoチップ、キングパールなどをブレンドしたブルーベリー栽培用土 デネブエクストラO2。パーライトなどを混入せずピートモスと各種ココヤシ繊維をブレンドした 100%有機物用土の Berry's Lifeピートモス 。そして採掘が自然破壊の環境問題になっているミズゴケピートモスを使用せず(北海道産ピートモスも使用していない)各種ココヤシ繊維、CoCoチップ、キングパールをブレンドし 2006年秋からの栽培対比実験の末に生まれた ブルーベリー栽培用土 デネブCoCoブレンド。環境保全に興味がある方から順次 デネブCoCoブレンド に移行してほしいと思っている。




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