ブルーベリー栽培品種

ベリー公のブルーベリー栽培:用土編

ベリー公のブルーベリー栽培:植替編

ベリー公のブルーベリー栽培:肥料水やり編

ベリー公のブルーベリー栽培:剪定収穫編

病虫害

営利栽培

ベリー栽培品種

ベリーの種類

ベリーの魅力

ベリー公のブルーベリー栽培-植替編

(自然の休憩所でのブルーベリー栽培)
2006.10.21 初版
2018.1.9 最新改定
『日々是前進』

植替・鉢増し・植付

植付(地植)の時期

地植する場合の植付時期は栽培地の気候によって異なる。一般的に暖地といわれる地域は秋(10~11月)が一番良い。 休眠に入る冬までに根が活着してある程度根が張るので翌春からの生長が良くなる。雪が積もる寒地での栽培経験は ないが秋植してもすぐ休眠に入り雪が積もるので雪の融けた春に植付るのが一番良いと思われる。 ポット苗や鉢植苗の場合は根の崩し加減にもよるが水管理さえできれば通年可能。

植替(鉢植)の時期

鉢植にする場合の最適時期は地植と同じ。鉢植苗の鉢増しなどは根の崩し加減にもよるが水管理さえできれば通年可能。

植付・植替時の根のほぐし加減

「根鉢を崩す」「崩さない」 「根を切る」「切らない」は時と場合により異なる。 ブルーベリーは根を切っても良いが、切ってはいけない、根鉢を崩してはいけない植物(クレマチス、スイートピー、 ポピーなどの直根の植物)もあるので、この植替方法を他の植物に流用する時は注意。 ブルーベリーでも挿木苗の植替えは根鉢を崩さずそのまま植替る。 あまりに小さいこのときに根を切ったりすると株が弱ってしまう場合がある。

植替や鉢増しをするとき前鉢での根の張り具合によって根のほぐし方が異なる。 シュートが伸びたり新芽が出たりと地上部が盛んに生長しているときは下部写真のように鉢内部も盛んに根が分岐し 細根が出て白い根が見える。鉢から抜いたとき根鉢は完全に出来ていないが崩れない程度にズッポリ抜けて表面に白根 がいっぱい見える時期に植替・鉢増しをすると根鉢を崩したり根を切ったり一切せずにそのまま植替鉢増しができる。 (白根は基本的に切らないほうが良い)この状態で植替すると生長が止まることがない。 生長優先の場合はこの段階で植替すると良い。

地上部のシュートの伸びが鈍くなったり生長がゆっくりになると下部写真のように根は白根から淡茶色に変わり、 鉢内部周囲に根を張り根鉢を固め始める。生長体質から実を付ける体質に変わっている頃である。 この状態の植替は小型のツメのようなもので写真のように表面を引っ掻き根を起こすだけで植替ができる。 茶根の場合は根先を切ってやると細根の発生を促すことができる。 前序の白根の段階で植替するより生長は一休みするがしっかりした丈夫な苗ができる。 このようにある程度根鉢を作らせてから植替すると良い果実を生らせる体質ができる。 生長よりも品質の良い果実を生らせたい場合はこの段階で植替すると良い。

白根が茶根に変わる様子の写真

株元から根先へ向かって茶根になるようだ。写真ではほとんどの根が茶根に変わっているが一部の根先に白根が 残っている。鉢増し後、新根の生長段階は白根が伸びるが鉢壁に当たると根の分岐が始まる。 分岐して細根が発生するが、細根が伸びはじめる頃に茶根に変わるような気がする。 幼苗~若苗は白根の発生が多いが数年生になると白根の発生は少なくなるような気がする。 冬場の休眠期の根は茶根になる。若苗の休眠期の根も茶根になるような気がする。

植替時期を過ぎた苗の場合

こんな根鉢の状態になる前に植替るようにする。植替が遅れるとこのように根鉢がガチガチに固まってしまう。 この場合には根を解したり切ったりしてから植替をする。このまま根鉢を崩さず植替しても新根が出にくく生長しない。 数年経っても植付たままの根鉢のままで新根がちょろっと出ている程度の状態が多い。

まず鋏(ギザ刃の付いているキッチンハサミなどが良い)で底部を1枚皮を剥ぐように切り取る。

側面は冷凍包丁のような鋸歯で皮を剥くように切り取る。側面を全て切り取る。

小型の爪で引っ掻き 根を起こし、根鉢に穴を開けるように爪をプスプスと刺して植替をする。 それでもあまりに硬く固まっている場合には後述の根洗いの方法をとっても良い。

根鉢の土を落とす場合

根を洗い土を落とすのは、赤玉土を使っていたり、カナダ産のピートモスを使っていてピートモスが汚泥化している 場合など前鉢での土の状態が悪い時、根腐れを起こしている場合、上記の植替が遅れて根鉢がガチガチに固まって しまった場合数年ほとんど生長せず音沙汰がない場合、調子を崩して元気がなくイチかバチかで植替をする場合。 ・・・などである。 散水シャワーをジェット水流にして水中で根鉢に当て土を落として根を解す。 バケツなどに水を張って根鉢を浸け込み飛ばないように手でしっかり持ってやると良い。 かなり株に負担がかかるのでむやみやたらにやらないほうが良い。ジェット水流によって細根がちぎれてしまう場合 があるので慎重に行なう。また根洗いをするのは茶根の時だけにして白根の場合はやらずに茶根になるのを待ってから 行なう。鉢植の場合は小さなポットから徐々に大きな鉢に鉢増しをするので まるで1枚づつ服を重ね着していくように 土を回りに付けていく。最初に着た土が悪い場合、通常の鉢増し方法のやり方で行なうと 悪い状態の土を着たまま 新しい土を着せることになる。いくら新しい良い土を回りに着せても中の悪い土は、一生 着たままになってしまう。 そんな場合はこの方法が有効だ。またそんなことにならないように挿木の段階から良い土を使うことがもっと大切。

鉢増しは一回りづつ(イキナリ大きな鉢に植えるのはダメ)

鉢増しは徐々に一回りずつ大きな鉢に植替るのが良い。イキナリ大きな鉢に植替るのは良くない。 小さな苗を大きな鉢に植えると、株元周りの土は根が水を吸うので乾くが周囲の土には根が伸びていないので水の吸い 上げが無くなかなか乾かなく常に湿った状態になる。そんな酸欠状態の過湿の土には根を伸ばし難くなるし根腐れを 起こしやすくなる。地植と同じ理屈ではなく、地植は鉢植とは全然違い余分な水は全て下に(地中に)流れている。 いくらスリット鉢で排水が良いと言えども地植と全く同じ状態にはならず水分は土に溜まっている。
4号鉢⇨6号鉢⇨8号鉢⇨10号鉢
3号鉢⇨5号鉢⇨7号鉢⇨9号または10号鉢

鉢植苗を地植にするのは8号鉢までが良い

鉢植で育てていた苗を地植にする場合は大きく育てて地植にするのではなく小さい苗の時に地植にするほうが良い。 小さい苗の方が環境の変化に早く対応できて馴染む。最適なサイズは5~6号苗。 4号苗でもいいが、株を充実させて6号鉢に鉢増しその後地植にする。大苗を地植にすると、今まで鉢植で育てられて 鉢の中で根を張ること、鉢植で地上部も育つことに慣れて鉢植体質になっているのでイキナリ地植にされて、 「今日からここで大きくなれ」と言われても環境の変化に付いていけず生長不良を起こして最悪枯死する。

鉢植の場合、最終の鉢の大きさ

鉢植の場合はこれ以上大きな鉢には植えれないという限界がくる。 それが10号だったり500角だったり、スペース的な問題やその人のお家の事情で最終号数はマチマチだが、これ以上 大きな鉢にできない場合でも根切り植替は必要になってくる。根鉢を抜いて周囲・底面 5cmくらいを根切りして同じ 鉢に戻し新しい用土を入れて植替る。根切りをするので地上部もバランスのとれるように少し切り詰め花芽を制限して 翌年の収穫は控えめにする。数年毎の作業になるので根鉢を持ち上げられる重量の鉢の大きさに留めておかないと腰を 痛めることになる。

鉢増 植替の方法

この 6号鉢苗を 8号鉢に鉢増しする。用土はデネブCoCoブレンド L。

まず鉢から根鉢を抜き根の張り具合の確認。

側面も底面も根の張り具合はちょうどいい鉢増し時期。

表土の草を抜く。

表土が硬くなったり苔が生えたりしているので鋏で薄く剥ぐように切っていく。

ペロンと 1枚 革を剥ぐように切り取る。

ギザ刃包丁で 6~8ヵ所、縦に浅く切り込みを入れる。
根を切ることによって発根促進になる。

ギザ刃のパン切り包丁か冷凍包丁、小さな100円均一のものでいいので何種類か持っていると便利。

根を解す道具。10号鉢までは小さめの熊手、大鉢は大きな熊手が使いやすい。

側面を ブラシで髪を梳かす ように、軽く表面を引っ掻く。方向は必ず上から下へ。

今度はブスブスと突き刺し根を起こしていく。

底面と表面も同じようにブスブスと突き刺し根を起こす。

根の解しが終わった状態。

8号鉢に仮入れして隙間の空き状態を確認する。

まず底面に土を入れる。苗を入れてみて高さがちょうどよくなるように底土の量を調整する。

側面の隙間に用土を入れる。表土にも被せるように。

鉢の側面を軽く叩いたり、揺すったりして用土を落ち着かせる。

用土が沈下するので表土に被るまで追加する。また少し鉢を叩いて用土を落ち着かせる。
決して指で強く押し込んではならない。隙間があってはならないが詰め込み過ぎてもいけない。
スポンジのような適度で均一な空気層が理想。

表土を整えて土入れ完了。

不要枝などを整枝剪定。

鉢増し植替 完成。

鉢増し植替後の水やりは用土全体に水を含ませるためにたっぷりとやる。
やり方は鉢増し前に予め用土を水に浸して置く方法もあるが用土がべとべとに水を含んでいると何かと鉢増し作業がやり難いので
鉢増し作業が終わってまずたっぷり目に水やりをしてから大きめのタライや水桶に水を入れて鉢増しした鉢を入れて腰水させる方が簡単。
鉢の高さの3~4分目くらい水に浸かるようにすると良い。これで一晩置いておけば用土全体が水をたっぷり吸う。

植替後の置場と水やり

根洗いした場合や不調苗の植替、酷く根鉢を崩したり切ったりした場合(コガネムシ幼虫被害株も)はしばらく直射 日光の当たらない所で養生する。根鉢を少し引っ掻いて根を起こしたくらいでは日陰に置く必要はなく植替後も日の 当たる所で良い。根鉢を弄わない場合はもちろん日向のまま。根腐れした株の植替、不調苗の植替後は、水を吸い上 げる力が弱っているので水やり間隔を長めにし少し乾かし気味に水管理する。 健康な株を根洗いして植替た場合は前述の不調株の植替後ほどではないが通常株よりも少し水やり間隔を長めにする。 その他の株の植替後は通常通りの水管理で良い。 鉢の置場は土やコンクリート面などの地面に直接置かず、トレーやカゴなどを使って持ち上げて置く。 排水性もアップするし鉢底の風通しを良くすると根の生長が良くなる。 地面と縁を切ることによってミミズや蟻など侵入を軽減することができる。

コガネムシ対策

コガネムシの幼虫vsブルーベリー栽培家 は避けて通れない戦いだ。特に鉢植の場合は発見が遅れると致命傷になる。 早期発見できれば良いが、なかなかわかり難いことが多く、おかしいと思ったときには手遅れの場合が多い。 早期発見のポイントを挙げてみると、葉が赤みを帯びてまんだらになってきたら まず鉢から根鉢を抜いて根を確認 すること。春に卵から幼虫が孵り小さい頃は表土近くに集まってくる。表土が耕されたようなホクホクになっていれ ば大抵小さな幼虫がいっぱい居る。木を持って揺らしてみてグラグラするようだったら要注意。駆除の方法は、コガネムシの幼虫が土中に湧いてそれを退治する方法、成虫が卵を産み付けに来るのを阻止する方法などいろいろ試され いるが特効薬は少ない。化学農薬を使えば幼虫を駆除できるが、できれば化学農薬は使いたくない。 効果のあるものをいくつかあげてみるがどれも完璧ではない。

パーライト・軽石マルチ

パーライトや軽石でマルチをして成虫が卵を産み付け難くする。成虫が卵を産み付けるとき用土に潜り込むのだが、 コガネムシは固くトゲトゲしてガサガサしてのが体に触れるのが嫌で潜るのを(卵を産み付けるのを)やめるようだ。 用土表面に厚めにパーライトなどをマルチ代わりに敷くと潜る時に体に当たるのが嫌なので卵を産み付けられ難い。 用土にパーライトを混ぜているくらいでは効果はなく表土に厚めに敷くのがポイント。パーライトの白が陽射しを 反射し多孔質なので断熱効果もありダブル効果がある。 パーライトは中性でpH7.0なので土壌のpH上昇を気にする方がいるが、パーライトは周囲の土壌をpH矯正する効果 はなくパーライト自体のpHが7.0というだけ。

不織布マルチ

不織布や透水性シートなどで表土を覆い成虫が土に潜れなくする方法。 覆い方で隙間ができたり不織布と鉢の間から潜られたり、株元からのシュートやサッカーが出難くなる。表土が乾きにくくなったり、過度に用土全体が過湿になったりするのであまりお勧めできない。

椿サポニン

農薬ではない。椿などの種子に含まれるサポニンが幼虫の気門に入ると麻痺を起こし呼吸できなくなり窒息死する。 椿油かすペレットにはサポニンが 12%前後、サポニン粉末には 90%以上含まれている。 椿油かすペレットは徐々に溶けるので忌避効果がある。椿サポニンはエラ、皮膚、気門で呼吸している 生物が麻痺 を起こす。毛虫、青虫、ナメクジ、コガネムシ幼虫、ミミズ、根切り虫、葉ダニ、センチュウ類など。 人や動物に影響は ない。 サポニンは紫外線で分解する。 水に溶けたサポニンも2~3日で分解してしまう。 注意点はエラ呼吸をしている魚類に影響があるので水路や川、池には絶対に流さない。

ブルーベリー栽培品種

ベリー公のブルーベリー栽培:用土編

ベリー公のブルーベリー栽培:植替編

ベリー公のブルーベリー栽培:肥料水やり編

ベリー公のブルーベリー栽培:剪定収穫編

病虫害

営利栽培

ベリー栽培品種

ベリーの種類

ベリーの魅力

農園(育苗ハウス)

〒769-2312

香川県さぬき市造田是弘1479-2

TEL:090-7626-7552

農園長(畑ヶ中:ハタケナカ)

農園(育苗ハウス)

ブルーベリーなどを栽培しています。栽培資材、苗なども直売しています。植替や不調苗の入院治療も有料で承りますのでご希望の方は苗をご持参ください。また剪定・植付・出張指導など(有料)も承ります。不在繁忙時もありますので事前に(ハタケナカ)まで 電話連絡ください。

ベリー公(自然の休憩所 主宰)は農園には常在しておりませんのでベリー公にご相談、ご質問などございましたら事前にアポイントをとってください。

レストラン マップ

農園 マップ

TOP